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数学検定について【英検や漢検と同様、進学や就職に必須の検定】
数学検定「数検」は、三大検定(英検・漢検・数検)の1つで、進学や就職に必須の検定です。
「数検」は、大学入学試験や高等学校等の単位認定等に組み入れる学校が増加しています。推薦入試、AO入試で優遇措置をとる大学・短期大学が多く見られ、対象の級は「2級以上」が多く見られます。高等学校でも「3級以上」で一般・推薦入試での優遇措置をとる学校が増えてきています。
数学の学習を通して、論理的な思考力や問題解決力が養われることは広く知られていますが,法則を発見したり工夫したりする創造力、主体的にものを考える力と態度なども育てることができます。情報を選択しそれをうまく組み合わせて使う力、条件に基づいて正確に実行する力、仮定をおきその仮定から導かれる結果を吟味する力、起こり得る場合を丁寧に列挙する力、空間を認識し想像する力なども育てることができます。
それらの能力と態度は,人間として生きていく上で欠かせない大切なものといえるでしょう。
IML国際算数・数学検定
■各級が新学習指導要領の指導内容に関連しています。
10級から1級までの検定級があり、各級が新学習指導要領の指導内容に関連しています。例えば7級は、小学5年から6年程度であり、検定内容も面積、速さ、割合、円周率等などの理解です。学校教育の内容に沿って、自らの思考力を判断することができます。
■学校教育を修了した人でも自由に取り組むことができます。
IML国際算数・数学検定は、「思考力」を「問題解決のプロセス」といちづけているので、問題内容は学校教育でで指導されるものと同時に、一般的な問題解決に関わるものを幅広く扱っています。
例えば、問題の中に提示されているいくつかの条件を組み合わせて、新しい条件を作り、問題を解決するものなどがあります。それゆえ、学校教育を修了した方が数学的な内容に興味を持ち、生涯学習として数学的な思考力技能を身につけたいと考えたとき、抵抗なく取り組めるようになっています。
■問題構成は、大きく分けて三つの項目から構成されています。
IML国際算数・数学検定の問題は、大きく分けて三つの項目から構成されています。
一つは、学校教育と関わって、基礎的基本的な知識・技能を問うものです。
また、一つは条件や情報を得て、それを組み合わせることによって問題解決をするものです。
そして、もう一つは空間観念に関わるものです。
これらの三つの項目は、前述の学校教育や生涯教育との関わりの中で構成されています。
■思考過程を見るために記述問題を含めています。
IML国際算数・数学検定では、問題解決に際して、答えだけでなく答えを求める過程をみる問題を含めています。問題を解決する過程は多様です。問題解決には、一つの方向からのアプローチだけでなく、多方向からのアプローチが大切です。IML国際算数・数学検定では、記述問題を含めているので思考過程を丁寧に検定することができます。
算数・数学検定審査基準(IML国際算数・数学検定)
検定する思考力 | 検定する範囲 | |
---|---|---|
10級 | ・いくつかの簡単な情報の中から、必要な情報を選び出す力 ・試行錯誤しながら考える力 ・平面の図形を捉える力 | 小学1年~2年程度 数の構成の基礎、加減乗法、長さなどの量の基礎、平面図形の基礎 |
9級 | ・いくつかの簡単な情報の中から、必要な情報を選び適用する力 ・試行錯誤しながらねばり強く考える力 ・平面の図形における位置関係を把握する力 | 小学3年~4年程度 四則計算、大小、長さ、かさ・重さ・時間などの基本、整数の基本、平面図形・立体図形の基本、表やグラフの基本、数的推理など |
8級 | ・与えられたいくつかの条件を適用する力 ・いくつかの観点で整理された情報の一部から、他の乗法を導く力 ・図や表を用いて乗法を整理する力(問題場面を図示し問題の構造を把握する力) ・平面における移動や回転を想像する力 | 小学4年~5年程度 整数・少数・分数の基本、面積・角・円の基本と理解、平面図形の基本と理解、数的推理など |
7級 | ・与えられた複数の情報から、必要な情報を見つけ適用する力 ・与えられた情報(条件)を、使いやすい情報(条件)に作り直す(言い換える)力 ・いくつかの場面に分けて、丁寧に考える力 ・空間における位置関係を把握する力 | 小学5年~6年程度 偶数・奇数、面積、速さ、割合、円周率、平面図形の基本と理解、数的推理など |
6級 | ・いくつかの情報の共通点やいくつかの情報から性質(法則)を帰納的に見つける力 ・与えられた情報(場面)から法則を見つけ、その法則を適用する力 ・逆向きに(結論から)考える力 ・平面や空間におけるものの移動を想像する力 | 小学6年~中学1年程度 分数の理解、約数・倍数、比例、平均、表面積、立体図形の基本と理解、柱体、錐体、体積、容積、対称、数的推理など |
5級 | ・ある条件を満たすものの集合を作り、それに他の条件を加えて絞り込んでいく力 ・複数の条件を満たすかをチェックし、条件にあてはまらないものを排除していく力 ・二つの条件からの情報を、一方の立場に統一して考える力 ・数量の関係を文字を用いて表し関係を把握する力 | 中学1年~2年程度 正の数・負の数の計算と利用、文字の式、一次方程式の解き方と利用、関数と比例、図形、数的推理など |
4級 | ・与えられたいくつかの情報を組み合わせて必要な情報を導き、それを用いる力 ・推移率を利用して結論を導く力(問題を解決する力) ・図・表・式に表して問題の構造を把握する力 ・命題の矛盾を認め、修正する力 ・空間において複雑に回転したり移動したりするものを想像する力 | 中学2年~3年程度 式の計算、方程式、連立方程式の解き方と利用、一次関数、図形、確率、数的推理など |
3級 | ・条件過剰の場面から必要な情報を選択して、処理する力 ・与えられた情報(条件)を組み合わせて使いやすい情報(条件)を作り出す力 ・仮定をおいて推論し、他の条件も満たすように訂正しながら解決に接近する力 ・視点を変えて命題を作り直す力 ・否定命題を作って考える力 | 中学3年程度 式の計算、因数分解、平方根、二次方程式の解き方と利用、関数、図形、数的推理など |
準2級 | ・与えられた場面の条件を整理し、解決しやすく再構成する力 ・複数の条件をたがいに関係させながら推論していく力 ・問題を解決するために必要な数学的知識を選び出し、それらを組み合わせて問題を解決する力 | 高校1年程度 二次関数、方程式と不等式、初等幾何、個数の処理、三角比、身近な統計の見方 |
2級 | ・与えられた場面のきまりを見抜き、それを課題の解決に利用する力 ・課題の解決に必要ないくつかの下位課題を設定し、その解決をもとにして課題 を解決する力 ・表にまとめたり、図式化したり、文字や数で表したりして問題を扱いやすく作り かえる力 | 高校2年程度 三角関数、指数・対数関数、実数、数列、ベ クトル、確率・統計のやさしい応用、微分・積 分(入門レベル)、高次方程式、図形と方程 式 |
準1級 | ・与えられた場面が数学のどんな分野に関係しているのかを判断し、その数学を 使って問題を解決する力 ・数多くの条件(情報)を関係させながら推論していく力 ・既習の数学を発展させて考えることができる力 | 高校3年程度 極限、行列、微分・積分、二次曲線、確立・統計(基本的なもの) |
1級 | ・与えられた場面がどんな数学と関係しているののかを見抜き、最も適した数学を 適用する力 ・社会現象や自然現象の中に数学を見出し、その現象を数学の場面に翻訳して問 題を解決する力 ・明記されていないものも含めて、関係する条件を整理し、それらを適切に使って 推論していく力 | 大学・一般 線形代数、微分積分学、位相幾何、確立・統計、数論、初等幾何(空間も含む)、離散数学(それぞれ入門レベル) |